佐藤俊樹・友枝敏雄編著『言説分析の可能性―社会学的方法の迷宮から』(シリーズ 社会学のアクチュアリティ:批判と創造)(2006)

言説分析とは何か?社会学との関係は?その意義と方法をめぐって錯綜した論議が沸騰するなか、メディア論や知識社会学、計量分析、構築主義等との異同を解き明かし、社会科学の新たな武器としての可能性を追求する。現代のアクチュアリティに迫るシリーズ第3弾。

序章 閾のありか―言説分析と「実証性」  佐藤 俊樹
 1 氾濫する「言説」
 2 フォーマライぜーションと言説分析
 3 意味が確定できる単位
 4 「実証性」とは何か
 5 テクストとデータの並行性
 6 方法としての言説分析
 7 言葉を語ることへ
第1章 言説分析とその困難(改訂版)―全体性/全域性の現在的位相をめぐって  遠藤 知己
 1 挟み撃ち
 2 言説社会のリアリティ
 3 素朴唯名論の地平
 4 社会学と言説分析
 5 フーコーの文体
 6 困難さのただなかで
第2章 フーコーマクルーハンの夢を遮断する―フリードリッヒ・キットラーの言説分析  北田 暁大
 1 フーコーマクルーハン)批判をめぐって
 2 キットラーの賭け――書き込みのシステムを書く
 3 賭博師キットラー
第3章 メディアが編む国家・世界そして男性―サッカーゲームの言説分析  坂本 佳鶴恵
 1 メディア・イベントとしてのワールドカップ
 2 テレビ中継
 3 試合中継の分析
 4 「日本」報道の意味
 5 世界という言説
 6 女性向け言説
 7 おわりに
第4章 空白の正義―「他者」をめぐる政治と倫理の不/可能性について  橋本 摂子
 1 理想郷の陰
 2 「正さ」の行方
 3 跳躍としての解釈
 4 表象の暴力、あるいは表象という暴力
 5 おわりに
第5章 構築主義と言説分析  中河 伸俊
 1 社会問題の構築主義の視座とプログラム
 2 言説分析と問題カテゴリー
 3 構築主義のレトリック分析
 4 構築主義的な言説分析の困難?
第6章 知識社会学と言説分析  橋爪 大三郎
 1 はじめに
 2 知識社会学
 3 言説分析
 4 言説分析以降
第7章 言説分析と実証主義  鈴木 譲
 1 はじめに
 2 「言説分析の実賞主義的考察」と「実証主義の言説分析的考察」
 3 実証主義と理念主義
 4 言説分析の位置づけ
 5 「言説分析」と「言説の質的分析」
終章 言説分析と社会学  友枝 敏雄
 1 言説分析の新しさ
 2 言説分析の定義
 3 社会学における理論構成
 4 言説分析の独自性・特異性――社会学理論からの隔たり
 5 ハードな言説分析か、ソフトな言説分析か

佐藤論文
佐藤俊樹「近代を語る視線と文体」既読

講座社会学〈1〉理論と方法

講座社会学〈1〉理論と方法

遠藤論文
遠藤知巳「現代社会はいかにして近代であるのか?」
社会学の知33 (ハンドブック・シリーズ)

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生きられる社会

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北田論文
グラモフォン・フィルム・タイプライター〈上〉 (ちくま学芸文庫)

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知の庭園―19世紀パリの空間装置

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過去の声―一八世紀日本の言説における言語の地位

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00年代の格差ゲーム

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中河論文
構築主義の社会学―実在論争を超えて (SEKAISHISO SEMINAR)

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家族とは何か―その言説と現実

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母性愛という制度―子殺しと中絶のポリティクス

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社会構築主義のスペクトラム―パースペクティブの現在と可能性

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鈴木論文
友愛の歴史社会学―近代への視角 (現代社会学選書)

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友枝論文
社会学研究法 リアリティの捉え方 (有斐閣アルマ)

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