渡辺靖著『〈文化〉を捉え直す―カルチュラル・セキュリティの発想』(2015)

近年、人々や社会、国家のアイデンティティの根幹に関わる、一人一人の文化的リテラシーを問われる場面が多くなっている。固有の文化とは何なのか? 守るべき文化とは? あるいは文化を政策に活用することの是非は? 国内外の最新の動向を紹介し、観念論と政策論の双方の視点から、文化の新しい使い方、その危険性と可能性を考察する。

第1章 グローバリゼーションは「文化」を殺す
 スーパーモダン ポストモダン ほか
第2章 台頭する「人間の安全保障」という視点
 格差の再編成
 新自由主義の論理と力学 ほか
第3章 ソフトパワーをめぐる競合
 ソフトパワーをめぐる狂想曲
 パブリック・ディプロマシーの時代 ほか
第4章 新しい担い手たち
 政策的価値は「不純」か?
 ガバナンスの新たな潮流 ほか
第5章 理論と政策の狭間で
 「離見の見」
 構築主義 ほか