蓮實重彦著『映画に目が眩んで〈口語篇〉』(1995)

映画に目が眩んで〈口語篇〉

映画に目が眩んで〈口語篇〉

映画という体験を「口語」に変換する1977~93年の講演と対談の記録。映画とおしゃべりの大饗宴。題名索引―1000本紹介。蓮実重彦が語る、映画の新たなる発見。

映画狂い
日本映画の転形期をめぐって―80年代、ニュー・ウェーヴへの期待と危惧
リメイクの倫理―『変態家族・兄貴の嫁さん』をめぐって
ミツバチのささやき』をめぐって
山中貞雄が嫌いだ、という声があがるまで闘いは継続される
トリュフォー以前 トリュフォー以後
ヌーヴェル・ヴァーグはここから始まる―50年代のアメリカ映画
ハリウッド・フィフティーズは無念さの領域に位置づけられる
成瀬映画の魅力
「呪われた映画」の系譜〔ほか〕

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映画渡世・天の巻―マキノ雅弘自伝

映画渡世・天の巻―マキノ雅弘自伝

14 ヨーク軍曹, ハワード・ホークス
15 戦塵, ルイス・R・フォスター
15 ナバロンの要塞, J・リー=トンプソン
15 リオ・ブラボー, エル・ドラド, リオ・ロボ, ハワード・ホークス
17 攻撃目標はビルマだ, ラウール・ウォルシュ
21 赤い河, ヒット・パレード, ハワード・ホークス
22 地獄への逆襲, フリッツ・ラング
22 蓮實「それは今日『エピステーメー』に山口百恵のインタヴューが出る以上に画期的なことなわけですね」
22 殺し屋ネルソン, ドン・シーゲル
24 地下水道, アンジェイ・ワイダ
27 今は死ぬときだ, バッド・ベティカー
32 霧の旗, 西河克己山口百恵
46 素晴らしき放浪者, のらくら兵, ジャン・ルノワール
55 純, 横山博人
56 翔んだカップル, 相米慎二
94 変態家族・兄貴の嫁さん, 周防正行
180 ジャン=ピエール・ラッサム, プロデューサー
181 老人と海, クロード・ベリ
186 女と銃, クロード・ルルーシュ
189 狂気の愛, アウトワン/スペクトル, ジャック・リヴェット
260 鶴八鶴次郎, 妻よ薔薇のように, 歌行燈, 成瀬巳喜男
273 最前線, アンソニー・マン
262 ドナルド・リチー
376 ドキュメント路上, 土本典昭
376 圧殺の森, 小川紳介
388 不知火海, 土本典昭
397 山田宏一「『脱出』は明らかに『カサブランカ』の成功、大ヒットにあやかって」
399 教授と美女ヒット・パレード:リメイク
408 「『リオ・ブラボー』は、ホークスが『真昼の決闘』を見て腹を立ててつくったものでしょう。ホークスは、あのクーパーの孤立無援のヒロイズムが嫌でたまらない」
507「ダグラス・サークは…その精神的な弟子でわるファスビンダーダニエル・シュミットの作品を通じて徐々に再評価され」
516 南の誘惑, ダグラス・サーク
523 世界の涯てに, ダグラス・サーク
533 名文家、山田宏一川田順造武満徹(88年)
536 タッカー, フランシス・フォード・コッポラ
561 結婚哲学, エルンスト・ルビッチ
612 大閲兵, 陳凱歌
630 ドゥ・ザ・ライト・シング, スパイク・リー
638 1935年、ソ連映画の死
639 アブラム・ローム帝政ロシア時代に生まれた人、大体ハワード・ホークスと同じくらいの年」「実にうまく共産党と妥協しながらも、最後までメロドラマを撮り続ける」
640 青年は許さない, アブラム・ローム
650 ピーター・グリーナウェイ
682 山椒大夫, 溝口健二→軽蔑, ゴダールのラスト、修道女, ジャック・リヴェット
710 喝采, マムーリアン、ニューヨークのアストリア・スタジオで撮影
746 こうのとり、たちずさんで, テオ・アンゲロプロス
748 テオ・アンゲロプロスへのインタヴュー。蓮實「『シテール島への船出』以来、あなたはそうしたイメージをアントニオーニの脚本家だったトニノ・グエッラに話し、彼との対話を通してシナリオに仕上げるという方法をとっておられます」TA「私がフランス語で話しかけるとトニノはイタリア語で答えます」
748 霧の中の風景, テオ・アンゲロプロス
749 再現, テオ・アンゲロプロス
753 夜, ミケランジェロ・アントニオーニ
757 荒野の決闘, ジョン・フォード
758 TA「ところで、私には、技術的な完璧主義に陥った今日のアメリカ映画、たとえばマーチン・スコセッシのように才能のある監督が『ケープ・フィアー』などを真面目に取っているのを見ることの方が遥かにつらいし、陰惨な思いに誘われます」