蓮實重彦著『ゴダール マネ フーコー -思考と感性とをめぐる断片的な考察』(2008)メモ

高度情報化社会のいまだからこそ持つべき「思考と感性」とは何か、について、映画史・絵画史・思想史・文学史・メディア史を横断しながら縦横に論じる。ゴダール、マネ、フーコーキットラーマラルメ……、近代以降の文化史を築いた人や作品に深く分け入りながら、現代のメディア・テクノロジー、複製文化に対する論点も提示する。

第1章 絶対の貨幣
第2章 『(複数の)映画史』におけるエドワール・マネの位置
第3章 マネからアウシュヴィッツまで
第4章 鏡とキャメラ
第5章 フィルムと書物
第6章 マネとベラスケスまたは「画家とモデル
第7章 「肖像画」の前で
第8章 声と文字
第9章 偶然の廃棄
第10章 複製の、複製による、複製性の擁護
第11章 理不尽な楽天性と孤独
第12章 旅人の思索

51「「前=映画史」を語る著作では必ず言及されている残像現象の研究者たちの技術的な試み、すなわちジョセフ・プラトーによるフェナキスティスコープ、ウイリアム・ホーナーによるゾーエートロープ、とうとう、の装置の開発はいうまでもなく、エドワード・マイブリッジやエチエンヌ=ジュール・マレーらによる連続写真の実験的な試み」
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ゴダール・映像・歴史―『映画史』を読む

ゴダール・映像・歴史―『映画史』を読む

61「ゴダールがランズマン(『ショアー』)を批判しているのは、まさに「表象不可能なもの」として強制収容所をイメージとして提示することを禁じようとするかのようなその形而上学的な姿勢に向けられているものなのだが」
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イメージ、それでもなお アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真

イメージ、それでもなお アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真

18- マイケル・パウエルエメリック・プレスバーガー、ワシリーエフ兄弟、タビアーニ兄弟、アントニオ・レイスとマルガリーダ・コルデイロ。