ピーター・ブルックス著『メロドラマ的想像力』(1976=2002)メモ

メロドラマ的想像力

メロドラマ的想像力

メロドラマとは何か。ユゴーバルザック、ジェイムズといった19世紀の偉大な劇作家、小説家の作品を中心にして、そこにいわゆる「メロドラマ的想像力」がいかに働いているかを分析し、この想像力の系譜を辿る。メロドラマこそが西洋近代文学においてもっとも重要なモードであると指摘する本書は、1976年に発表されるや、たちまち英語圏比較文学と映画研究の分野に大きな衝撃を与え、今日では古典的批評書と呼ばれようとしている。表象ジャンルにおける高位と低位の別を問わず、現代の物語芸術を論じようとする者には、けっして避けて通ることのできない問題文脈が、ここに横たわっている。

第1章 メロドラマ的想像力
第2章 驚きの美学
第3章 無言のテクスト
第4章 メロドラマとロマン主義のドラマ化
第5章 バルザック―表象と意味作用
第6章 ヘンリー・ジェイムズと意識のメロドラマ
結論 メロドラマ―中心のポエジー