上田紀行著『スリランカの悪魔祓い -イメージと癒しのコスモロジー』(1990)メモ

「癒し」の原点の書!
他者を癒す/世界を癒す/自分を癒す
他者とのつながりの回復の中で、人は、はじめて、癒されていく。

スリランカでは、「孤独な人に悪魔は憑く」と言う。そして実際、病の人が出たら、村人総出で「悪魔祓い」の儀式を行い、治してしまう。著者は、そこに「癒し」の原点を見た。「癒されたい」人から、自ら「癒されていく」社会へ。孤独に陥りがちな現代日本人に、社会や人とのつながり、その重要性を問いかける。

20代後半の青年が、スリランカの村々で悪魔祓いを訪ね歩く。
暑い中で汗を拭き拭き来る日も来る日も悪魔祓いを見続けた。あんなに私を引きつけたものは何だったのだろうか。それはその場の熱さ、真剣さと笑いがないまぜになったノイズいっぱいのエネルギー、そして病が癒えていく人たちの喜びと、笑いながらともに喜ぶ村人たちの姿だった。――<文庫版あとがきより>

第1章 悪魔に出会う
 初めての出会い
 悪魔祓いが始まる ほか
第2章 悪魔に憑かれる
 土地が変われば人も変わる
 呪術師の村 ほか
第3章 悪魔を祓う
 悪魔との距離
 なぜ癒されるのか ほか
第4章 悪魔と遊ぶ
 日本人には何かが憑いている
 トレンドは潜在能力開発だ ほか