- 作者: 中村秀之
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/10/29
- メディア: 単行本
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1952年4月28日の対日講和条約の発効により日本は「独立」した.しかしこの「独立」は冷戦体制への従属という新たな「敗北」のはじまりでもあった.黒澤明,小津安二郎,成瀬巳喜男らをはじめとする映画の登場人物の身ぶりを通して,敗戦と占領という重みを負った「ポスト占領期」の日本の経験や精神を浮かび上がらせる.
「みんなしずかなもの」―― 一九五二年四月二八日
本書への案内I 歴史の関をうつす
―― 『虎の尾を踏む男達』(一九四五/一九五二)とポスト占領期の日本映画
1 『虎の尾を踏む男達』(一九四五/一九五二)の神話・事実・寓意/2 ポスト占領期の日本映画II 絆とそのうつろい
―― 小津安二郎の『晩春』(一九四九)と『麦秋』(一九五一)の抵抗と代補
1 ふたりの紀子/2 「日本的なもの」に屈して――『麦秋』(一九四九)/3 記憶をめぐる闘い――『麦秋』(一九五一)III 富士山とレーニン帽を越えて
―― 谷口千吉の『赤線基地』(一九五三)における同一性の危機
1 忘れられた「基地もの」映画/2 「『赤線基地』問題」とは何か/3 「反米映画」としての『赤線基地』――アメリカ人の反応/4 同一性をめぐるせめぎ合い――『赤線基地』の闇の奥/5 政治的センセーショナリズムから寓意的な怪獣へIV ものいわぬ女たち
―― 黒澤明の〈ポスト占領期三部作〉(一九五二 − 一九五五)の政治的イメージ
1 自己の問い/他者達の問題/2 代行の僥倖――『生きる』(一九五二)/3 復讐の代行――『七人の侍』(一九五四)/代行の極限――『生きものの記録』(一九五五)/6 代行の廃墟で――〈ポスト占領期三部作〉のあとV 涙の宥和
―― 『二等兵物語』シリーズ初期作品(一九五五 − 一九五六)による歴史の清算
1 娯楽映画と公共の記憶――「ブーム」のポリティクス/2 「二等兵ブーム」を構築する――「ノスタルジアのメタ言説」/3 「アチャラカ」を招集する――「兵隊喜劇」映画の誕生/4 敗軍の兵を許す――映画的荒唐無稽の論理/5 戦争の記憶を商品化するVI 女が身をそむけるとき
―― 成瀬巳喜男における戦中(一九四一)と戦後(一九五五)の間
1 ニュース映画と国民=国家――『なつかしの顔』(一九四一)と『浮雲』(一九五五)/2 「観なくてもいいような気がしたの」――『懐かしの顔』(一九四一)の幻視/3 無縁の時――『浮雲』(一九五五)のさむけの果てに付録 「我らを滅ぼせ」
―― 『ビハインド・ザ・ライズング・サン』(一九四三)の「良い日本人」
1 「映画版『菊と刀』」?/2 メイキング・オブ『ビハインド・ザ・ライジング・サン』/3 星のトモダチ――「良い日本人」の誕生/4 自殺する異教徒――共感のパラドクス/6 勝者の想像力の夜の果て夜のしるし――映画,歴史,救済
196 ストック・フッテージ
197, 312 (3) 「映画と国民=国家に共通の特性」「双方を構成する共通のメカニズム」である〈投影〉(プロジェクション)」国民国家は領土や政府に還元されないひとつのイメージ。
- 作者: ジャン=ミシェルフロドン,Jean‐Michel Frodon,野崎歓
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/10/18
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- 作者: ジャン・ルイシェフェール,Jean‐Louis Schefer,丹生谷貴志
- 出版社/メーカー: 現代思潮新社
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