白鳥あかね著『スクリプターはストリッパーではありません』(2014)メモ

スクリプターはストリッパーではありません

スクリプターはストリッパーではありません

スクリプターとは――映画の撮影現場で常に監督の側にいて、映画のすべてを記録する係。
新藤兼人マキノ雅弘監督の現場見習いから始まり、日活黄金期の〈渡り鳥〉シリーズでは斎藤武市、日活ロマンポルノでは神代辰巳の女房役として活躍、またフリーランスの女性映画人として根岸吉太郎池田敏春ら若い世代と共闘し、その後市民のための映画祭・映画館の設立・活動でも奮闘する――激動の戦後日本映画史を渡り歩き、映画を記録しつづけた女がすべてを語る〈実録白鳥あかね・裸の履歴書〉!

序章 スクリプターという仕事
第1章 映画界に入るまで
第2章 スクリプター事始め
第3章 斎藤武市監督との旅
第4章 日活ロマンポルノという革命
第5章 神代辰巳とともに
第6章 根岸吉太郎池田敏春の現場
第7章 フリーランススクリプターとして
第8章 新人監督たちとの出会い
第9章 スクリプター協会の設立、そして十文字映画祭・しんゆり映画祭の誕生

22 斎藤武市『南国土佐を後にして』(59)
37 しんゆり映画祭
48 久松静児『月夜の傘』(55)◯
50 マキノ雅弘『人生とんぼ返り』(55)◯
54 マキノ雅弘『朝焼け血戦場』(56)◯
58 中平康狂った果実
58 中平康『狙われた男』
63 新藤兼人『愛妻物語』
67 斎藤武市『愛は降る星のかなたに』(56)
76 『幕末太陽傳
88 今村昌平『果てしなき欲望』(58)
88「でも、やはり大塚和(かの)という偉大なプロデューサーがいたから、今村昌平が世にでることができたと思います」
93「ー〈渡り鳥〉シリーズや『愛と死をみつめて』(64)といった作品で、日活の黄金時代を築いた監督の一人が斎藤武市監督です。白鳥さんがスクリプターとしてついた斎藤作品は45本で、もちろん最多です」
100 西河克己『俺の故郷は大西武(ウエスタン)』(61)「ーあの時代は日活アクションがどんどん荒唐無稽になっていましたね。和田浩治がワイアット・アープの子孫で大川牧場で決闘する、西河克己『俺の故郷は大西武(ウエスタン)』とか」
106 斎藤武市『錆びた鎖』主演の赤木圭一郎が直後にゴーカート事故で死亡」
112「ー65年の小杉勇監督の『あばれ騎士道』は宍戸錠が主演で、渡哲也が弟役」
113 『赤道を駈ける男』
116 今村昌平『赤い殺意』
118 長谷部安春『縄張(シマ)はもらった』(68)
122 藤田敏八野良猫ロック 房総集団'71』(71)岡田祐チーフ助監督、セカンド長谷川和彦。「新宿西口の浄水場跡に住んでいる原田芳雄を兄貴分とするヒッピーみたいな連中が、六人乗りの自転車に乗って、地方としのギャング団と争うみたいなわけのわかんない話」
125「ーそして1971年の8月に封切られた『八月の濡れた砂』(藤田敏八監督、併映は藤原惟二監督の『不良少女魔子』)を最後に、日活は映画製作を中止しました。そして、それからわずか三ヶ月後に、日活ロマンポルノというプログラム・ピクチュアの路線が誕生します」
127 西村昭五郎監督・白河和子主演『団地妻 昼下がりの情事』(71)「西村さんのアナーキズムと美学が作品に結実していました」
128 近藤幸彦『女高生レポート 夕子の白い胸』(71)「片桐夕子は一躍スターになった」
136「ー三浦朗さんは神代辰巳監督の作品を多く手がけているプロデューサーですね」
138 小沼勝『女教師 甘い生活』(73)『修道女ルナの告白』(76)
138 田中登『ハードスキャンダル 性の漂流者』(80)
139 白鳥新一(あかねの夫)『団地妻 女の匂い』(73)
140 藤原惟二『番格 女子校生のSEXと暴力の実態』
140「女優を美しく撮る監督である」加藤彰『OL日記 牝猫の情事』(72)
142 加藤彰『OL日記 濡れた札束』「73年に起きた滋賀銀行女性行員による9億円横領事件をモデルにした映画ですが、ヒロインの転落と日本の戦後史を重ね合わせた傑作でした」
143 加藤彰『新・団地妻けものの昼下がり』(74)根岸吉太郎セカンド助監督
147 神代辰巳『濡れた唇』『一条さゆり 濡れた欲情』(72)
148「2012年に日活創立百執念記念特別企画で、映画評論家の蓮實重彦山田宏一山根貞男の三氏が32本のロマンポルノを選んだ特集上映〈生きつづけるロマンポルノ〉」
148 神代辰巳恋人たちは濡れた
150 神代辰巳『悶絶!!どんでん返し』(77)
154 神代辰巳『濡れた浴場 得出し21人』(74)
170 神代辰巳『快楽学園 禁じられた遊び
180 曽根中生『わたしのSEX白書 絶頂度』(76)白鳥は脚本で参加
189 根岸吉太郎『女生徒』(79)助監督:池田敏春
189 根岸吉太郎『濡れた週末』(79)助監督:池田敏春
190 根岸吉太郎『暴行儀式』(80)「私の記憶では荒井晴彦の書いたホンがこれでもかというぐらいに暴行シーンばっかりで、なんて嫌な映画かと思いましたね(笑)」
190 根岸吉太郎狂った果実』(81)
192 池田敏春『人魚伝説』(84)
200「ーディレクターズ・カンパニーというのは、博報堂出身の宮坂進さんを社長に、当時、新進の9人の映画監督(長谷川和彦相米慎二根岸吉太郎池田敏春高橋伴明大森一樹、石井聰互、黒沢清)が役員として名を連ね製作会社ですね」
208 池田敏春死霊の罠』(88)「アメリカではカルト映画として有名」
218 『もう頬づえはつかない』(79)
218 東陽一『ザ・レイプ』
223 大島渚愛のコリーダ』(76)
248 藤田敏八『ダブルベッド』(83)曽根中生監督、荒井晴彦脚本『新宿乱れ街 いくまで待って』(77)の続編