巽孝之編著『反知性の帝国 -アメリカ・文学・精神史』(2008)メモ

反知性の帝国

反知性の帝国

日本人の無思想に対しアメリカ人の反思想、反知性主義の伝統は、17世紀の異端思想から19世紀のエマソン、フラーらによる超越主義、20世紀のヘミングウェイからヴォネガットに及ぶ反権威主義、ビート世代の神秘主義レーガンからブッシュ父子へと続くポピュリズムネオリベラリズムまで、知よりも情を、ロジックよりもキャラクターを優先してきた。反知性主義を抜きにしてアメリカ独自の「知性」はありうるか?気鋭の7人が植民地時代から9.11同時多発テロ、2008年度大統領選までを射程にアメリカニズムの神髄に迫る。

はじめに 恐怖の同毒療法・・・巽孝之
第1章 アメリカ文学反知性主義の伝統・・・巽孝之
第2章 T.S.エリオット、または反知性を内包する知識人・・・出口菜摘
第3章 知性・反知性・神秘主義・・・志村正雄
第4章 ジェンダー・レトリックと反知性主義・・・竹村和子
第5章 <主知>と<反知>・・・亀井俊介
第6章 フォークナー文学と反知性主義・・・田中久男
第7章 危機下の知性について・・・後藤和彦
おわりに 来るべきアメリカニズム・・・巽孝之