阿部嘉昭著『平成ボーダー文化論』(2015)メモ

平成元年となる1989年以降におこった大小さまざまな事象をもとに、犯罪、メディア、若者、音楽、写真、女性、アダルトビデオ、漫画などについて縦横に論じ、「平成」という時代を裏側から考察する。

目次 : 一九八九年論/ もがく仕種の可愛さこそが―「不快の快」時代の魅力的な身振りだ/ 「死にたい」と「殺したい」のあいだ―「十七歳」の犯罪について/ 全体化の虚偽、現代的自殺―入間市「ネット心中」事件について/ 「稀薄」がキーワード 二十代はデュシャンの泉?/ 人界を穿つ闇―三角みづ紀『オウバアキル』書評/ 境界が溶けてゆく―太陽肛門スパパーン馬と人間』について/ 一点に心を集めて小さくなってゆく―九〇年代後半のゆらゆら帝国について/ ロボットと性/ 「小さな画面」の不如意を慈しむことについて/ 写真都市彷徨/ 世界は一人の女の集約される/ ネット時代の書簡/ ドキュメンタリーとしてのアダルト・ビデオ/ 境界突破した身体がそれじたい境界化する―あとがきにかえて