盛山和夫著『社会保障が経済を強くする -少子高齢社会の成長戦略』(2015)メモ

少子高齢社会は、経済成長にとって大きな困難をもたらす。人口減少によってさまざまな商品やサービスへの消費需要が減る一方で、労働人口も減少するために生産面でも縮小していく。また、団塊の世代を中心として、高齢者人口がますます増えるため、年金の支給額、医療費や介護費も大幅に増えることが予想される。それなのに国の借金は1000兆円を超え、財源不足が懸念されるため、経済学者や評論家のあいだでは「社会保障を減らすべき」というのが常識だ。しかし、社会保障は経済成長にとって本当に「悪」なのだろうか?本書では、そうした誤ったイメージの原因を洗い出し、「社会保障と経済をともに強くする」重要なメカニズムを示す。

序 章 アベノミクス「成長世戦略」の心もとなさ
第1章 なぜ社会保障は悪者にされるのか
第2章 「小さな政府」イデオロギーの誤り
第3章 「効率性重視」から、「生活革新型」の成長戦略へ
第4章 少子化対策を成長の基盤にする
第5章 年金給付水準は、削減すべきか維持すべきか
第6章 債務問題はこう考えればいい
第7章 「共同子育て社会」という成長戦略