中島岳志著『アジア主義 ―その先の近代へ』(2014)メモ

アジア主義 ―その先の近代へ

アジア主義 ―その先の近代へ

気鋭の論客がアジア主義者たちの思想と行動を丹念にたどり、未来へのヒントを探る! ! 近代日本のアジア主義者たちは何に躓いたのか。そこには如何なる可能性があったのか――。
西郷隆盛から石原莞爾。そして大東亜戦争への底流を読む。

 序章  なぜ今、アジア主義なのか
 第一章 竹内好アジア主義に何を見たのか
 第二章 西郷隆盛征韓論
 第三章 なぜ自由民権運動から右翼の源流・玄洋社が生まれたのか
 第四章 金玉均という存在
 第五章 頭山満、動き出す
 第六章 来島恒喜のテロと樽井藤吉の『大東合邦論』
 第七章 天佑侠と日清戦争
 第八章 閔妃暗殺
 第九章 孫文の登場―宮崎滔天内田良平南方熊楠
 第十章 岡倉天心「アジアは一つ」の真意
 第十一章 黒龍会一進会
 第十二章 韓国併合という悲劇
 第十三章 中国ナショナリズムへのまなざし〜辛亥革命と二十一カ条要求
 第十四章 孫文の大アジア主義演説
 第十五章 来日アジア人の期待と失望
 第十六章 大川周明の理想
 第十七章 田中智学から石原莞爾へ〜「八紘一宇」の奈落
 第十八章 アジア主義の辺境〜ユダヤエチオピアタタール
 第十九章 戦闘の只中で〜日中戦争大東亜戦争
 終章   未完のアジア主義〜いまアジア主義者として生きること
 あとがき

p.169

三十三年の夢 (岩波文庫)

三十三年の夢 (岩波文庫)

p.170
宮崎兄弟伝〈日本篇 上〉 (1984年)

宮崎兄弟伝〈日本篇 上〉 (1984年)

評伝宮崎滔天

評伝宮崎滔天

p.357p.395- イスラムアジア主義
アジア主義は何を語るのか―記憶・権力・価値

アジア主義は何を語るのか―記憶・権力・価値

p.409 井筒俊彦イスラム知識人ムーサー・ジャールッラーハとの会話。ム「おまえ、ずいぶん本を持っているな。この本、どうするんだ」井「もちろん、これで勉強する」ム「火事になったらどうする?」井「火事で全部焼けっちゃったらお手上げで、自分はしばらく勉強できない」ムーサーは大笑いした。ム「なんという情けない。火事になったら勉強できないような学者なのか」続けて、ム「おまえ、旅行のときはどうして勉強するのだ」井「必要なものは持っていく」ム「お前はまるで人間のカタツムリだ。重要な基礎テキストは全部頭に入れ、そのうえで自分の意見を縦横無尽に展開できなければ学者ではない」
p.430 西田幾多郎西谷啓治高坂正顕鈴木成高