中島岳志・若松英輔著『現代の超克 本当の「読む」を取り戻す』(2014)メモ

現代の超克 本当の「読む」を取り戻す

現代の超克 本当の「読む」を取り戻す

現代日本の混迷を救うため、気鋭の政治哲学者、批評家の二人が挑んだ、全身全霊の対話。柳宗悦、ガンディー、小林秀雄福田恆存、『近代の超克』... 今こそ、名著の声を聴け!
この本をめぐる私たちの対話から浮かび上がってきたのは、神の問題、霊性、科学や歴史の問題という、日本人が近代に置き去りにしてきてしまったものたちでした。そしてそれらは、iPSの技術や原発の問題など現代的なさまざまな問題と、分かちがたく結びついています。近代を「読む」とは、置き去りにしてきたことをもう一度捉え直すことであり、そこを読み解くことができなければ、現代的な問題を解くこともまたできないのです。
――プロローグより――

本書で「読む」主な本
南無阿弥陀仏』『新編 美の法門』(柳宗悦
『ガンディー 獄中からの手紙』(ガンディー)
『モオツァルト・無常という事』(小林秀雄
『人間・この劇的なるもの』(福田恆存
『近代の超克』(河上徹太郎西谷啓治鈴木成高、吉満義彦ほか)

プロローグ
第一章 民衆と美 柳宗悦南無阿弥陀仏』『美の法門』を読む
 民衆と「ことば」
 民の力
 美と宗教、そして政治
 個であることと伝統
第二章 近代と政治 〜『ガンディー 獄中からの手紙』を読む〜
 ダルマとトポス
 愛と罪
 死者のデモクラシー
 積極的な受け身
第三章 「死者」を生きる 〜小林秀雄福田恆存を読む〜
 W『モオツァルト・無常という事』
 N『人間・この劇的なるもの』
 N・W「死者」を生きる
第四章 近代の問い 〜『近代の超克』を読む〜
 神の問題
 霊性の問題
 科学の問題
 歴史の問題
あとがき