斎藤環著『承認をめぐる病』(2013)メモ

承認をめぐる病

承認をめぐる病

自分を認めてもらいたい気持ちに過度にこだわるとき、人はさまざまな病理を露呈する。気鋭の精神科医が世相を読み解く。

思春期解剖学
1 若者文化と思春期
2 終わりある物語と終わりなき承認
3 若者の気分とうつ病をめぐって
4 「良い子」の挫折とひきこもり
5 サブカルチャー/ネットとのつきあい方
6 子どもから親への家庭内暴力
7 秋葉原事件──三年後の考察
8 震災と「嘘つき」

精神医学へのささやかな抵抗
9 「精神媒介者」であるために
10 Snap diagnosis事始め
11 現代型うつ病は病気か
12 すべてが「うつ」になる──「操作主義」のボトルネック
13 悪い卵とシステム、あるいは解離性憤怒
14 「アイデンティティ」から「キャラ」へ
15 ミメーシスと身体性
16 フランクルは誰にイエスと言ったのか
17 早期介入プランへの控えめな懸念

p.144「とりわけ筆者の場合は、私淑する中井久夫神田橋條治、下坂幸三の三氏からの影響がほとんど血肉化されているため……」
p.164「筆者の知る限り、西丸四方、西丸甫夫著『やさしい精神医学』(1975年)がほぼ唯一の例外である」プレコックス感精神分裂病の患者に特有の顔貌あるいは表情を鑑別し、瞬時に診断する方法)を患者の顔貌を顔写真付きで例示している。

やさしい精神医学

やさしい精神医学