舞城王太郎著『淵の王』(2015→2017)

淵の王 (新潮文庫)

淵の王 (新潮文庫)

俺は君を食べるし、食べたし、今も食べてるよ――。魔に立ち向かい、往還する愛と祈り! 友達の部屋に現れた黒い影。屋根裏に広がる闇の穴。正体不明の真っ暗坊主。そして私は、存在しない存在。“魔” に立ち向かうあなたを、ずっと見つめていることしかできない。最愛の人がこんなに近くにいたことに気づいたのは、すべてが無くなるほんの一瞬前だった……。集大成にして新たな幕開けを告げる舞城史上最強長篇!

國分功一郎著『近代政治哲学ー自然・主権・行政』(2015)

我々がいま生きているこの政治体制は、近代の政治哲学が構想したものだ。ならば、政治哲学やその概念を検討すれば、今日の民主主義体制の問題点についても、どこがどうおかしいのか理論的に把握できるはずだ!人間が集団で生きていくための条件とは何か?“主権”の概念が政治哲学の中心におかれる中で、見落とされたのは何だったのか?近代前史としての封建国家を出発点に、近代の夜明けから、その先鋭化・完成・自己批判に至るまで。ホッブズスピノザ・ルソー・ヒューム・カントの順に、基本の概念を明快に追っていく。

第1章 近代政治哲学の原点―封建国家、ジャン・ボダン
第2章 近代政治哲学の夜明け―ホッブズ
第3章 近代政治哲学の先鋭化―スピノザ
第4章 近代政治哲学の建前―ジョン・ロック
第5章 近代政治哲学の完成―ジャン=ジャック・ルソー
第6章 近代政治哲学への批判―ヒューム
第7章 近代政治哲学と歴史―カント
結論に代えて―近代政治哲学における自然・主権・行政