佐藤健二著『ケータイ化する日本語―モバイル時代の“感じる"“伝える"“考える"』(2012)

ケータイ化する日本語―モバイル時代の“感じる

ケータイ化する日本語―モバイル時代の“感じる"“伝える"“考える"

個人と個人を、いつでも直接つなげることができるケータイ。その爆発的普及の中で、「ことばの力」が衰弱し、他者との関係が薄らいでいる?! 電話の登場以降、知らぬ間に変わっていた私たちの言語空間――。「声」の獲得以後の人類史をふまえ、「社会」を担う次世代に説く「ことば」の歴史社会学。自分の「ことば」を自分の「身体」に取り戻すには。

1 ことばは「身体」である
2 ことばは「社会」である
3 ことばは「空間」である
4 ことばは「歴史」である
5 メディアとしての「ケータイ」
6 「二次的な声」と分裂する空間
7 空間共有の成功と失敗:テレビ電話の示唆
8 留守番電話と間違い電話:浮遊する声
9 他者の存在の厚み:あるいは第三者の位置
10 呼び出し電話の消滅と電話の家庭化
11 移動する電話:あるいは電話の個人自由
12 面で触れあう/線でつながる:他者関係の変容
13 ケータイ・メールの優越:「文字」の距離を選ぶ
14 ケータイで書く:「文字の文化」からの断絶
15 ケータイ化する日本語:ふたたび「身体」としてのことばに

蓮實重彦著『物語批判序説』(1985→90)

物語批判序説 35ブックス

物語批判序説 35ブックス

フローベール紋切型辞典」の荒唐無稽な未完の装置からプルーストロラン・バルトへと、帰属することのない言語装置と技法を解明しつつ、本書自体が「物語」たらんとする知略に満ちた1冊。