エリック・シュローサー著,楡井浩一訳『ファストフードが世界を食いつくす』(2001=2001)

ファストフードが世界を食いつくす 作者:エリック シュローサー 草思社 Amazon アメリカにファーストフード産業が誕生した社会的背景から、この業界の成長にともなって大きく変化した社会や食品業界を、現役記者が入念な取材をもとに描き出した衝撃の書。な…

廣野由美子著『シンデレラはどこへ行ったのかー少女小説と『ジェイン・エア』』(2023)

シンデレラはどこへ行ったのか 少女小説と『ジェイン・エア』 (岩波新書 新赤版 1989) 作者:廣野 由美子 岩波書店 Amazon 『赤毛のアン』『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』などの少女小説に描かれる、強く生きる女性主人公の物語はい…

北田暁大, 栗原裕一郎, 後藤和智著『現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史』(2017)

現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史 (イースト新書) 作者:北田暁大,栗原裕一郎,後藤和智 イースト・プレス Amazon この30年、日本の論壇はどのように在ったのか。たとえば、「若者論」。バッシングから擁護へと大きく舵を切った「若者論」の背景には、年…

ヴィレム・フルッサー著,村上淳一訳『テクノコードの誕生-コミュニケーション学序説』(1996=1997→2023)

テクノコードの誕生 ――コミュニケーション学序説 (ちくま学芸文庫 フ-52-1) 作者:ヴィレム・フルッサー 筑摩書房 Amazon テクノ画像が氾濫する現代、コミュニケーションのコードを人間へと取り戻すにはどうすれば良いか。メディア論の巨人による思考体系。 …

篠田節子著『はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか』(2011→2014)

はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか (文春文庫) 作者:篠田 節子 文藝春秋 Amazon 駿河湾で揚がった巨大ウナギを食べた人間が食中毒にかかった。原因はウナギの体内に残留していたレアメタルのパラジウム。非鉄金属を扱う会社の社員・斎原は、そのウナギが日本の…

貞包英之著『消費社会を問いなおす』(2023)

消費社会を問いなおす (ちくま新書 1706) 作者:貞包 英之 筑摩書房 Amazon 平成のデフレ不況を乗り越えてもなお、消費社会は私たちの生活全体を覆い尽くしている。消費社会がもたらしたのは「豊かさ」ばかりでなく、深刻な格差や環境問題でもあった。一…

北田暁大著『実況中継・社会学ー等価機能主義から学ぶ社会分析』(2022)

実況中継・社会学: 等価機能主義から学ぶ社会分析 (単行本) 作者:北田 暁大 有斐閣 Amazon 東京大学での講義をもとにした書き下ろし教科書。「いじめ」「愛国心」「○○化する社会」など,社会的な話題をどう考えると社会学になるのか。「等価機能主義」に軸足…

入不二基義著『問いを問う ー哲学入門講義』(2023)

問いを問う ――哲学入門講義 (ちくま新書) 作者:入不ニ基義 筑摩書房 Amazon 哲学とは、昔の人の考えや言葉を知って、理解することではない。哲学上の根本問題に自ら立ち向かうことでしか、哲学はできないのだ。「私たちの心を超えた世界を知ることはできるか…

五十嵐彰,追田さやか著『不倫-実証分析が示す全貌』(2023)

不倫―実証分析が示す全貌 (中公新書) 作者:五十嵐彰,迫田さやか 中央公論新社 Amazon 配偶者以外との性交渉を指す「不倫」。毎週のように有名人がスクープされる関心事である一方、客観的な情報は乏しい。経済学者と社会学者が総合調査を敢行し、海外での研…

岡田秀則著『映画という《物体X》ーフィルム・アーカイブの眼で見た映画』(2016)

映画という《物体X》 フィルム・アーカイブの眼で見た映画 (立東舎) 作者:岡田 秀則 立東舎 Amazon 過去の文化遺産を保存・運用する「アーカイブ」。その仕事は現在ますます注目を集め、21世紀は「アーカイブの時代」とも呼べるでしょう。本書は、そのアーカ…

是枝裕和他編著『いま、映画をつくるということ ー日本映画の担い手たちとの21の対話』(2023)

いま、映画をつくるということ 日本映画の担い手たちとの21の対話 作者:是枝裕和,土田環,安藤紘平,岡室美奈子,谷昌親,長谷正人,藤井仁子,青山真治,芦澤明子,大九明子,大友啓史,大林宣彦,奥寺佐渡子,菊地健雄,岸善幸,空族,富田克也,相澤虎之助,黒沢清,周防正…

日本SF作家クラブ編『ポストコロナのSF』(2021)

ポストコロナのSF (ハヤカワ文庫 JA ニ 3-6) 早川書房 Amazon 2021年4月現在、いまだ終わりの見えない新型コロナウイルスのパンデミックにより、人類社会は決定的な変容を迫られた。この先に待ち受けているのは、ワクチンの普及による収束か、あるいはウイル…

アーサー・ビナード著『日本語ぽこりぽこり』(2005)

日本語ぽこりぽこり (小学館文庫 ヒ 6-1) 作者:アーサー・ ビナード 小学館 Amazon 講談社エッセイ賞受賞の名著、待望の文庫化地球を宇宙から見つめるように日本語を遠くから捉えて解き明かす、そんな視点を、著者は常に持っている。「外人力」とでも呼ぶべ…

シェリー・タークル著, 日暮雅通訳『一緒にいてもスマホーSNSとFTF』(2016=2017)

一緒にいてもスマホ ―SNSとFTF― 作者:シェリー・タークル,日暮雅通 青土社 Amazon あなたはどこ? あなたはだれ? 待って、何が起きてるの?急激に広まったスマートフォンは、いつどこででも連絡を取り合える日常を作り出した。その反面、親子、友人、恋人同…

J.L.ボルヘス著,鼓直訳『伝奇集』(1944=1993)

伝奇集 (岩波文庫) 作者:J.L. ボルヘス 岩波書店 Amazon 夢と現実のあわいに浮び上がる「迷宮」としての世界を描いて現代文学の最先端に位置するボルヘス(一八九九―一九八六).われわれ人間の生とは,他者の夢見ている幻に過ぎないのではないかと疑う「円…

長澤唯史著『70年代ロックとアメリカの風景ー音楽で闘うということ』(2021)

70年代ロックとアメリカの風景: 音楽で闘うということ (椙山女学園大学研究叢書 49) 作者:長澤唯史 小鳥遊書房 Amazon 反抗や闘いの矛先を見失った70年代、ロック・アーティストは自己や世界や表現手段、メディアなどを積極的に「構築」して時代や政治や権力…

吉田徹著『アフター・リベラル-怒りと憎悪の政治』(2020)

アフター・リベラル 怒りと憎悪の政治 (講談社現代新書) 作者:吉田徹 講談社 Amazon 不安な暗い時代を生き抜くための新しい見取図! オルタナ右翼、権威主義の台頭、ヘイトクライム、歴史認識問題、テロリズム……人びとが合理的になり、民族やナショナリズム…

谷川嘉浩著『スマホ時代の哲学-失われた孤独をめぐる冒険』(2022)

スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 【購入者限定】スマホ時代を考えるための「読書案内」付き 作者:谷川嘉浩 ディスカヴァー・トゥエンティワン Amazon 「常時接続の世界」において、私たちはスマホから得られるわかりやすい刺激によって、自らを取…

桜木紫乃著『ホテルローヤル』(2013→2015)

ホテルローヤル (集英社文庫) 作者:桜木紫乃 集英社 Amazon 北国のラブホテルの一室で、心をも裸にして生々しく抱き合う男と女。互いの孤独を重ねる中に見えてくるそれぞれの人生の大切な断片を切り取る。第149回直木賞受賞作の文庫化。(解説/川本三郎)

メアリアン・ウルフ著,小松淳子訳『プルーストとイカ-読書は脳をどのように変えるのか?』(2007=2008)

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか? 作者:メアリアン・ウルフ インターシフト Amazon 〈文字・読書は、脳を劇的に変える!〉古代の文字を読む脳から 、ネットの文字を読む脳まで、ディスレクシア(読字障害)から 、読書の達人まで、脳科学 x…

安藤紘平他編『映画の言葉を聞くー早稲田大学『マスターズ・オブ・シネマ』講義録』(2018)

映画の言葉を聞く 早稲田大学「マスターズ・オブ・シネマ」講義録 フィルムアート社 Amazon 多彩な映像制作者たちをゲストに招き、制作にまつわる様々な事柄を語る早稲田大学の人気講義「マスターズ・オブ・シネマ」。本書は、2016年度、2017年度の全授業に…

松谷邦英「イリイチ再考一一コンヴィヴィアルな社会の展望」『社会科学ジャーナル』50, 2003

【pdf】 53「ここで銘記すべきは、こうしたイリイチの所論を産業社会の全否定と混同しではならない、という点であろう。イリイチの所論は、あくまでも産業化の不可逆性の認識の上に立った、社会構造の反転の思想である。すでに明らかなように、それは反制度…

イヴァン・イリイチ著,渡辺京二,渡辺梨佐訳『コンヴィヴィアリティのための道具』(1973=1989→2015)

コンヴィヴィアリティのための道具 (ちくま学芸文庫) 作者:イヴァン イリイチ 筑摩書房 Amazon ますます混迷の度を深め、閉塞感が高まる現代。現行の諸制度に対する不満がさまざまな形で噴出している。では、めざすべき新たな社会とはどういったものか―。イ…

石田英敬著『現代思想の教科書-世界を考える知の地平15章』(2005→2010)

現代思想の教科書 (ちくま学芸文庫) 作者:石田 英敬 筑摩書房 Amazon 現在、私たちを取り巻く「知」の数々は、20世紀以降の世界がおかれた4つの状況から発生する。本書ではそれを、ポスト・グーテンベルク状況、ポスト・モダン状況、ポスト・ナショナル状…

石田英敬著『自分と未来のつくり方-情報産業社会を生きる』(2010)

自分と未来のつくり方――情報産業社会を生きる (岩波ジュニア新書) 作者:石田 英敬 岩波書店 Amazon 『モモ』の「時間どろぼう」とプラトンの「洞窟の囚人」が現代を読み解くカギ!? 宮沢賢治にフッサール,デカルトまで飛び出す授業はとても刺激的.情報産…

クラリッセ・リスペクトル著,福嶋伸洋訳『星の時』(1977→1997=2021)

星の時 作者:クラリッセ・リスペクトル 河出書房新社 Amazon 地方からリオのスラム街にやってきた、コーラとホットドッグが好きなタイピストは、自分が不幸であることを知らなかった――。「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」による、ある女への大いなる祈りの…

蓮實重彦著『「知」的放蕩論序説』(2002)

「知」的放蕩論序説 作者:蓮實 重彦,渡部 直己,菅谷 憲興,スガ 秀実,守中 高明,城殿 智行 河出書房新社 Amazon 東大総長をやめた蓮實重彦がスガ秀実、渡部直己ら最良の聞き手を前に大学、思想、映画などの現在と未来を縦横に語った痛快無比・話題騒然の「読…

金森修「G・カンギレムにおける生命論的技術論」『科学基礎論研究』1992 年 21 巻 1 号 p. 39-44

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ジョルジュ・カンギレム著,杉山吉弘訳『生命の認識』(1965=2002→2023)

生命の認識〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス 735) 作者:G.カンギレム 法政大学出版局 Amazon 生気論の諸相、有機体と機械、生体とその環境など、生命・技術・科学的認識の連関にかんする問題編成に立ち向かうラディカルな哲学的思考。フーコー、セール、ブ…

蓮實重彦,養老孟司著『蓮實養老縦横無尽ー学力低下・脳・依怙贔屓』(2002)

蓮實養老 縦横無尽—学力低下・脳・依怙贔屓 作者:蓮實 重彦,孟司, 養老 哲学書房 Amazon 映画評論家、文芸評論家、フランス文学者、そして前東大総長という肩書きを持つ蓮実重彦と、『唯脳論』などで知られる、おそらく日本で最も有名な解剖学者であり、定年…