論文
【本文】 ポルノグラフィは、社会的にも社会学的にも議論の係争点であり、ジェンダーの平等が論点となる場合にはとりわけそれが際立つ。その端緒となる反ポルノ派フェミニストの理論が有する問題の1 つに、女性によるポルノの「見方」の多様性を狭めてしまう…
【本文】 現在ファッションに関する研究は, 複雑かつ多岐にわたる一方で, それら諸研究を綜合的な視座から論じる視点は, ほとんど提示されてこなかった. そこで本稿は, まずこれまでのファッション研究の方法論的視線を明らかにしたうえで, 今後の社会学的課…
【本文】 東アジアのグローバル化を論じる際に,文化,とくに食文化の変容に焦点が当てられるのは稀で,特定の料理がどのように受容されるにいたるかを研究した例は少なくないものの,各地でどのような食が好まれているかを分析した実証研究は皆無に等しい.…
【本文】 Hitchcock's famous use of long takes and a tracking camera in Rope (1948) was criticized by Truffaut and others as being a rejection of montage. Hitchcock himself considered the film 'pure cinema' - the movement of camera and perf…
【本文】 従来、映画のショック体験がしばしば論じられてきた。対して、本論は触発し変様する映画身体の体験を考える。そのためにまず、ショック体験やイメージの強度的体験を重視するドゥルーズの『シネマ』とドゥルーズ的な映画身体論を確認する。そのうえ…
【本文】 近年、精神医学的な知識や医療をめぐって大きな変化が生じている。ひとつには地域移行が、もうひとつには精神医療の参与者と精神医学的な知識とのかかわり方の変容があげられる。本稿ではこうした変容を受け、社会学は精神医療や精神医学的知識につ…
【本文】 フランソワ・トリュフォーの映画で描かれる人物の死は、写真や肖像画のような不動化されたイメージとしばしば関連づけられ論じられてきた。しかし、トリュフォー作品に見られる死のイメージは静的なイメージだけではなく、ある種の運動状態にあるイ…
【本文】 円谷英二が特技監督を務めた『空の大怪獣ラドン』(1956 年、以下『ラドン』)は、公開当時から高く評価されている作品である。しかし、特撮映画に関する先行研究は『ゴジラ』(1954 年)ばかり注目してきたため、本作はほとんど分析されてこなかっ…
【本文】 The aim of the present article is to examine the historical development of the Tsuruoka Hachiman Shrine (present day Kamakura, Kanagawa Prefecture) during the Muromachi period, a subject that has not been given serious attention f…
【本文】 1953年10月から実施された「昭和の大合併」は日本の第2次大規模市町村合併政策である。それは各都道府県の市町村を対象にし、市町村の数を3分の1に減らすという目標で実施された。主な目的は戦後の地方行政団体(兼自治体)の財政危機の解決だとさ…
【本文】 The purpose of this paper is to describe the process in which residential close alleys developed into the global hub for clothing design by using the case study of Jingu-mae, in Shibuya, Tokyo, and to discuss this transformation f…
【本文】 My paper shows one of the textual sources for the wall painting of the temple of Fortuna Virile (the church of Santa Maria di Secundicerio) (Italy, Rome, 872-882) which presents the Marian cycle with her last days, the story of St…
【本文】 The arabesque, a figure symbolic of ballet, was first defined as body attitude by Italian ballet master Calro Blasis. Falcone discusses a strong influence on Blasis’ theory from artists who took inspiration from the frescoes of He…
【本文】 本論文はヴィンセント・ミネリ監督による1949 年公開のハリウッド映画『ボヴァリー夫人』について論じる。本作は先行研究において、ヒロインであるエマの欲望とその抑圧を中心に論じられてきた。それに対して本論文は、フローベールによる原作小説…
【本文】 本稿の目的は「個人主義の浸透により恋愛結婚が普及した」という個人主義仮説を, フォーマル・アプローチによって検討することで, 新たな理論的説明を提示することである. 個人主義仮説は, 「家」や「分」を重視するような集団主義的な人々は見合い…
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【本文】 理論犯罪学の伝統的理解では,規律から管理へと犯罪統制トレンドが変化するなかで,リスクは犯罪者処遇ではなく犯罪予防やリスク人口層の管理と結びつくようになっているとされる.しかし,そうした理解は経験的・理論的に見て必ずしも妥当なもので…
【本文】 2010年から全ての万引きが警察へ通報されることになったが,万引き対策には多様な価値観が反映されており,店舗内処理も残存している.本稿の目的は,万引き対策の歴史的変遷を概観し,文化的側面と保安警備業務に着目した上で,万引きに関する有識…
【本文】 アジアの経済発展と共に貿易構造の多角化が進み、消費国と生産国間の資源循環量が激増している。生産国で生産され、消 費国で廃棄物となった資源が、生産国に循環することによって新たな枯渇性資源採掘が抑制され、資源問題と環境問…
【本文】 本論文は, 議会制デモクラシーをめぐるわれわれの理解について, 歴史的な視点から再検討を行うものである。現在, 民主政の経験的研究においては, 「競争」 を鍵となるメカニズムとするのが通例である。本論文はこのような想定を相対化し, 「競争」 …
【本文】 本稿は,いかなる社会的属性を持つ人びとが犯罪被害のリスクを感じており,それはなぜなのか,について明らかにする.1960年代から欧米ではじまる犯罪不安の実証研究は,女性,高齢者,低階層の人びとが犯罪被害のリスクを感じやすいことを明らかに…
【本文】 This two-part study aimed to examine the effects of temptation coping strategies on self-control when faced with a conflict between academic goals and temptations. The results of Study 1 indicated that the general use of temptatio…
【本文】 Corporal punishment in the setting of extracurricular school sport activities (bukatsu in Japan) has attracted public attention since 2013. Previous research studies attempted to characterize the actual conditions of corporal puni…
【本文】 This study aimed to reveal the risk factors for a person to perpetrate stalking-like behaviors following the end of a romantic relationship based on personality traits (attachment anxiety and narcissism), the characteristics of a …
【本文】 本稿では, É.デュルケムが想定する前近代及び近現代社会における法, 道徳の構造や関係性を明確化し, 従来十分に検討されてこなかった彼の法理論の精緻化をはかる.この際, 彼の理論を道徳, 宗教, 法の規範間関係論として再構成するJ.カルボニエの理…
消費者心理学 作者:一成, 山田,裕美, 池内 発売日: 2018/10/03 メディア: 単行本 美味しく見えるパッケージの秘密とは?「お得」に感じる心の法則とは?消費社会における人間の心と行動を、最新の研究成果により科学的に解説. 1. 日常生活と消費者心理 どこが…
【本文】 In Japan, malapportionment—the high level of disparity in the size of the population, and thus the weight of votes, across electoral districts—has been a national concern for several decades. Through a review of both normative the…
【本文】 Scholars of politics have been familiar with normative-empirical distinction. Yet this article reconsiders this divide through exploring another classification in terms of the “observable” and the “unobservable”. According to this…
【本文】 ケアの目的が患者の生を支えることであるならば、老いや麻痺を抱える身体とともにある苦悩や嘆かわしさは、ケアがかかわる重要な領域の一つである。その一方で、こうした身体のままならなさは、専門家の提供する技術を通しては完全に取り除くことが…