2020-09-11から1日間の記事一覧

中河伸俊「構築主義とエンピリカル・リサーチャビリティ」『社会学評論』2004年, 55巻, 3号, p.244-259

【本文】 社会的構築のメタファーが流布するとともに, その意味するところは多義化し, 探究の方法上の指針としてだけでなく, 批判のための一種の「イズム」として使われるようにもなっている.そうした「構築」系の “バベルの塔” 状況を整理するために, 本稿…

竹村和子「修辞的介入と暴力への対峙 〈社会的なもの〉はいかに〈政治的なもの〉になるか」『社会学評論』2004年, 55巻, 3号, p.172-188

【本文】 本論は, 本質主義と構築主義の二項対立を脱構築し, 現在の性制度に政治的介入をする可能性を探ろうとしたものである.社会構築主義は社会を本質化する傾向があるという前提のもとに, 本質主義そのものを従来の捉え方から置換しようとする動きが最近…

野村 佳絵子, 黒田浩一郎「戦後日本の健康至上主義 健康に関する書籍ベストセラーの分析を通して」『社会学評論』2005年, 55巻, 4号, p.449-467

【本文】 日本では, 1970年代の半ば頃から, 人びとの健康への関心が高まり, それまでよりも多くの人びとが健康を維持・増進するための行動を心がけるようになったといわれている.周知のとおり, これらの現象は「健康ブーム」と呼ばれている.医療社会学では, …